意外と深い、カニのうんちく
【タラバガニ】
日本人なら誰もが好きな「カニ」。その代表選手とも言えるのが「タラバガニ」ですよね。このタラバガニ、実は生物学的な分類ではカニではないことを知っていますか?タラバガニと花咲ガニは、カニではなくヤドカリの仲間なんです!
その定義は…
・カニはハサミ脚を含めて5対10本
・ヤドカリはハサミ脚を含めて4対8本
このように明確な違いがあるのです。とはいえ、タラバガニと花咲ガニは見た目では8本の脚ですが、実際には5対目の脚は退化し、縮小して甲羅の下に隠れているために外部から見えません。姿・形がカニと区別しづらいために一般的にはカニとして扱われています。
ちなみにタラバガニの寿命は長いもので30年、体重は7kg以上、脚を広げた大きさは1m以上にもなります。
【花咲ガニ】
タラバガニと同様に、ヤドカリの仲間です。花咲ガニは、北海道の極東、根室の花咲半島近辺に多く生息していることからこの名前がつきました。タラバガニに比べると肉質では劣りますが、その希少性から根室を代表する特産物となっています。
【毛ガニ】
生物学的な品種は「オオクリガニ」。北海道を代表する毛ガニとして、観光客にも親しまれています。春から夏にかけては、脱皮し身が水っぽくなるため、秋から冬にかけてが旬だと言われています。北海道の毛ガニが有名になったのは、戦時中の食糧難に見舞われていたころ、旧国鉄長万部駅で、駅弁屋さんが毛ガニを茹でて売り出したのが評判になったと言われています。その後、「かにめし弁当」となり全国的に有名になりました。また、毛ガニの類似品である「クリガニ」と呼ばれる品種も存在します。値段は格段に安いのですが、毛ガニに比べひと回り小さく、爪の先が黒いものがそれにあたるため、購入時には注意が必要です。
【ズワイガニ】
兵庫・鳥取の「松葉ガニ」、福井・石川の「越前ガニ」は、実は全く同じカニです。日本海の同じ漁場で捕れたものですが、それぞれ売られる場所で呼び名が変わるだけです。言い換えると、「ズワイガニ」に与えられたブランド名です。ちなみにメスのズワイガニは、背に子(卵)を背負っているため「セイコガニ」と呼ばれまています。オスに比べると脱皮の数が少ないため身は小さいのですが、値段も安く味も良いとされています。