アルバイトの年次有給休暇について
アルバイトなど週によって労働時間が変動する方の有給はどうなっているのでしょうか?
アルバイトの場合、「比例付与」といって所定の労働日数に比例した年休がもらえます。具体的な例を挙げてみます。入社して半年、欠勤なしで労働した日数が「65日」だった場合、2倍すると「130日」となります。これが「1年間の所定労働日数」となるのです。上記の表を見ていただくと「5日」の年休が付与されるのが分かります。
有給休暇を希望日で取得できない場合
休暇を取るとなると、タイミングを考えることになります。例えば、休暇を取る予定だった日に会社の大事な行事や研修が重なってしまった場合はどうなるでしょうか。
労働者側は指定の日に休暇を取ることができる「時季指定権」を持っています。対して使用者であるお店は休暇として指定された日を変更できる「時季変更権」を持っています。「時季変更権」は「事業の運営が妨げられる」と判断された際に、行使できます。
忙しい、という理由だけで「時季変更権」は行使することができません。研修などが最たるもので、店舗に必要な技術や知識の習得に関わりがある場合は行使できるのです。
欠勤した日を休暇に振り替えられるか
「時季指定権」や「時季変更権」が関わる問題として、欠勤に対する振替休日などがあります。例えば労働者が一度欠勤してしまった日を有給休暇として振り替えたい、という要望があった場合。
労働者にとって休暇の権利は強力なものです。事前に労働者が「〇月〇日に休暇を希望」と申しだせば、使用者が「時季変更権」を行使しない限り、休暇は取得できます。
また後日、欠勤した日を有給休暇として振り替えることも可能です。しかしこの場合は使用者の承認が必ず必要となります。
有給休暇の買取について
慶弔休暇の扱い
急きょ休暇を取ることになった場合はどうなるでしょう。例えば結婚やお葬式のためにある慶弔休暇などはどういった扱いになるでしょうか。
慶弔休暇は法で定められた休暇ではありません。そのため、有給でも無給でも問題がないのです。また慶弔休暇は、個々のお店の制度として確立されているので、欠勤と同じ扱いをすることも全く問題ありません。ただしお店側としては労働者のために、配慮が必要な場合もあります。こういった時は出勤率算定の際に、出勤日(分子)と全労働日(分母)から慶弔休暇を除外してあげると良いでしょう。
無給の場合ならいくらでも休暇は取れる?
最後に、有給を使い切った場合、無給の休暇を取得することはできるのでしょうか。
労働者は欠勤する権利というものがありません。労働契約の基本は労働者は労働を、使用者は賃金を提供することになっています。ですが賃金をもらわないから無断で欠勤していいということはないです。例えば、風邪で欠勤することも使用者であるお店が承認しているだけなのです。
もし、まっとうな理由なく無休で休暇を取ろうとした場合、懲戒処分になる可能性もあります。くれぐれも気をつけて休暇は取りましょう。